2022-01-01から1年間の記事一覧

182)有島武郎作「一房のぶどう」

朝、何気なくラジオを聞いていたら、有島武郎(1878-1923)の『一房のぶどう』の朗読が流れてきた。5分ほどの短い話であったが、その内容にいたく感動した。 有島武郎には『小さき者へ』『生まれいづる悩み』『或る女』『惜しみなく愛は奪う』などの著作が…

181)認知症の母を撮り続けた直子さん、そして、お父さん

信友直子さんは、母親の認知症の過程をドキュメント映画にした映画監督であり、テレビのディレクターでもある。作品には「ボケますから、よろしくお願いします」、続編の「~おかえり お母さん~」などがある。 認知症になった親を語る体験本や放送番組は、…

180)「山原」は「やんばる」と読む!

4月からNHKの朝ドラの新シリーズ「ちむどんどん」が始まった。 「ちむどんどん」の「ちむ」は主に「心」を表し、「どんどん」は「胸が高なる様子」を指す。全体では「胸がわくわくする」という意味を表す。 沖縄の北部「やんばる」地域が舞台で、そこに住む…

179)植物の命に学ぶ②

前回の177「植物の命に学ぶ①」では、植物は人間以上に3密を守っていること、植物は根っこが命で、根っこの長いのは東京ドームの9個分を占めるぐらいのものもあること、などなどを勉強しました。今回は、同じく田中修先生のお話「植物の命に学ぶ②」で、植物…

178)★ #日本語文法 ものがたり7★「語順」

前回の「日本語ものがたり6」で、いくつかの語を組み合わせて文を作る「問題」がありましたが、いかがでしたか? 何人かの方から「難しい!」とクレームが来ました。 外国人ができる日本語の問題で、日本人ネイティブにはなぜ難しいのでしょう? 日本人は日…

177)植物の命に学ぶ①

植物学者田中修氏の「植物の命に学ぶ」というインタビュー番組(NHK深夜便「明日への心」)は本当に面白かった。というより、植物について「へぇー」とか感心することが多かった。その面白さを今回と次回、2回続けてお送りする。田中氏の関西弁(京都弁?)…

176)俳優山崎努さん

あの苦み走った顔には、「名渋俳優 山崎努」という呼び方がふさわしい。 NHK BSで、「黒澤明の映画はこう作られた~証言・秘蔵資料からよみがえる巨匠の制作現場~」が再放送された。 国際的に名高い、映画監督黒澤明の独特の撮影方法や、知られざる苦悩を描…

175)動物の写真を撮るということ

日本にはたくさんの有名な写真家がいる。女性を美しく撮る篠山紀信・立木義浩。景色の中の列車を撮る中井精也、猫を撮り続ける岩合光昭、その他、戦場カメラマン、沖縄写真家、山岳カメラマンなど。 写真を撮ることを一生の仕事と考えている人達は、自身のこ…

174)★ #日本語文法 ものがたり6★「助詞」②

今回は助詞の中で、文の骨格を作る格助詞について考えます。 私の子供が小さいころ、小さいといっても小学生低学年のころですが、次のようなことを言いました。 「お父さん 僕 プレゼント あげた。」 私はそれを聞いて、誰が誰にプレゼントをあげたのかが分…

173)回転焼き

朝ドラ「Come come everybody」もそろそろ終わりが近づいている。中~後半になって、物語がフラフラしているような気がしていたが、主人公ルイが思いついた「回転焼き」屋さんも軌道に乗り、また、ルイも母親との再会ができそうなので、物語としては何とかな…

172)合唱曲「しあわせ運べるように」

毎年1月上旬、3月上旬になると、震災をテーマにしたテレビ番組やラジオ番組が始まる。一つは阪神・淡路大震災(1995年1月17日発生)、もう一つは東日本大震災(2011年3月14日発生)である。今年も慰霊のためのいくつかの行事はほとんど終わってしまった…

171)若者言葉「わかりみ」

次のようなラインのスタンプが届いたとき、私はちょっとびっくりした。スタンプにこんなシャレた言い方が取り上げられている!と思ったからだ。 しかし、インターネットを調べてみると、もうかなり前からSNSなどでは取り上げられ、若い人達中心に使用されて…

170)コロナワクチン3回目

用事があってしばらくの間仕事場を離れていた。久しぶりに帰ってみると、いくつか重要な書類が届いていた。その中の一つが、第3回目コロナ接種のお知らせであった。 ずっと気になっていたので、急いで封書を開けた。 1枚目にあったのが、接種日時と接種場…

169)★ #日本語文法 ものがたり5★「助詞」①

次のイラストを見てください。女性が何をしているか分かりますか? これは昔の女の人が、庭でお米を研いでいる姿です。「研(と)いでいる」というのは、「洗っている」という意味です。庭にはホタルが何匹かいます。 そこで一句。 「米洗う 前( )蛍が 二…

168)「ガッテン!」放送終了

NHK水曜日夜の長寿番組「ガッテン」が、2月2日に終わった。 最後だからといって特別の企画もなく、次のような、立川志の輔さんと小野文恵アナウンサーの簡単な挨拶で終わった。 小野アナ「27年目に入りましたね」 志の輔さん「27年、お世話になりましたが…

167)サウンドスケープ(音の風景・音の景観)

もし、「きのう聞いた一番遠くの音は何ですか?」と聞かれたら、あなたはどう答えますか。 私なら、何だったっけなあ? と、しばらく答えられず、「あ、そうだ。公園のカラスの声だ」などと答えるかもしれない。 それぐらい、音のことははっきりとは思い出せ…

166)高橋源一郎氏と大学入学共通テスト

皆さんは高橋源一郎という小説家をご存じですか? インターネットのウィキペディア他によると、次のように説明されている。 日本の小説家、文学者、文芸評論家。明治学院大学名誉教授。現在71歳、広島県出身。散文詩的な文体で、教養的なハイカルチャーから…

165)★ #日本語文法 ものがたり4★「は」と「が」④

今日はクイズ(小さなテスト)から始めます。次の対談の( )の中に「は」か「が」を入れてください。 【対談クイズ】 これは2017年2月13日、テレビ番組「徹子の部屋」の対談の一部です。司会は黒柳徹子さん、お客様は故岡江久美子さんです。 岡江久美子さ…

164)怒らない人になる方法

脳科学者の茂木健一郎は昔は怒りっぽい人間であったという。しかし、現在では、もちろん怒りを感じることはあるが、適切にコントロールすることができるようになった。 著書『怒らない脳』 (2020,徳間書店)によると、人の怒りがピークを保つのはせいぜい10秒…

163)「ヒロシです・・・。」

芸人ヒロシさんは、「ヒロシです・・・」で始まる、いわゆる自虐ネタでブレークした。そのハンサムで、一見さびしそうな顔は、若い女の子にも人気があった。彼の基本的なスタイルは、ポケットに手を突っ込み上目使いで「ヒロシです」と名乗ってから、うつむきつ…

162)絵と写真の違い

最近はまるで写真のように実物そっくりな、例えば「植物細密画」のような絵もあるし、中井精也(当ブログ116で紹介)が撮るような、写真家の世界観いっぱいの絵のような写真もある。 写真と絵の境界線は時代とともにどんどんなくなってきている。 撮る側(写…