179)植物の命に学ぶ②

 前回の177「植物の命に学ぶ①」では、植物は人間以上に3密を守っていること、植物は根っこが命で、根っこの長いのは東京ドームの9個分を占めるぐらいのものもあること、などなどを勉強しました。今回は、同じく田中修先生のお話「植物の命に学ぶ②」で、植物の命のすごさを勉強したいと思います。

 

4.植物の「根」の根性はすごい!

        

「根の根性ってものはすごくってね。乾燥したとこでは水を求めて求めて、水があるとこではあんまり伸びないのですよ。

同じ植物を乾燥したとこと湿った土で育てたら、地上部は圧倒的に湿った土のほうが大きくなります。

 そやけど、乾燥地の葉っぱって、ちびっとしかありません。根もそうなってるのかと思って調べたら根は全然違って、乾燥地の根は水を求めてどんどんどんどん伸びていってるから、ものすごい根をしてるんです。

 一方、湿地にある植物の地上部は立派やけども、根を見たらちょびっとしかないですね。つまり、なんぼでもお水ももらえるんで、伸びる必要ないんですよ。

 だから、根にはハングリー精神があって、なんぼでも伸びてく。それが根性っていうものに使われたんでしょうね。」

 

5.「根」が金鉱脈を見つけた!    

  

「ある時、ユーカリの木の葉っぱに金のようなものが付いて、キラキラ光っている。「それは何だ?」ということで大騒ぎになった。もしかしたら、地下に金鉱脈があって、根がそれを吸い上げてきたんちゃうかっていう可能性ですよね。

 そやけど、そんな浅いとこに金鉱脈なんかないっていうことになって、根が深いところで、どこまで伸びているのかっていうことはものすごく難しくて、きちっと調べた人ないんですよ。

       

 で、それは金鉱脈の話でもあるんで、ずっと調べていくと、そのユーカリって地上10数メートルぐらいしかないんですけど、その根はずっと行くと、地下30メートル40メートルのところに、ほんまに金鉱が見つかったんです、鉱脈が。

 ということは、地上10数メートル伸びてる時は、地下は30メートルの深さにまで伸びているということですね。」

 

6.活性酸素について

活性酸素という言葉、分かられますか? 

     

 人間に紫外線があたったらね、活性酸素っていうものが生まれるんです。これが悪いことするやつでね。シミとかしわとか。目の白内障の原因になってると言われて、もっとひどい時には近眼の原因になるとか言われるんですね。

       

 だから、人間は一生懸命紫外線避けるんですよ。

 で、紫外線て、ほんまにそんなひどいことしているのかということは、お風呂に入って、手のひらとか顔の紫外線の当たる顔の表面の皮膚のつやとかと、ほとんど紫外線が当たってない腹部の肌のつやと比べてもらったら、全然違います。

        

 下腹部の肌のつやっていうのは、若々しいし、みずみずしいし、子どもの時のつやを保ってる場合が多いんです。何や、ぶよぶよやんかっていう人いるけど、それは関係ないんで、ぎゅっと引き延ばして、肌のつや見てもらったら、そういうもんなんですね。それはやっぱり紫外線というもんが有害で。

 一方、植物は、紫外線の怖さを知っているので、抗酸化物質で花びらをきちっと固めてるんです。

 何でって、考えてみてください。

      

 それは花の真ん中のめしべの下のほうで自分らの子供生まれてくるんですね、種が。それが紫外線の光を受けると大変なので、その種ができるところをきれいな花びらで、みんな抗酸化物質で固めて、守ってるんです。

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田中先生の植物の話は、これで終わりです。植物は本当に頭がよく、自分達の生存のために工夫を重ねて、生きているのですね。関西弁の語り口で、楽しい植物の話を聞くこととができました。