244)★日本語文法ものがたり23★「人の呼称」2

            

 今週で2023年の8月もそろそろ終わりですね。

 前回は「人の呼び方-呼称-」を取り上げました。前回の宿題1は、「自分の夫のことを友人にどう言いますか。「呼称」を考えてください。」というものでした。

 年配の主婦の方が多かったせいか、「主人」というのが一番多かったです。少数派として「亭主」というのもありました。

 

 宿題2は、「あなたのご主人が友人と会話している時、ご主人はあなたのことを友人にどう言いか、「呼称」を考えてください。」でした。結果は、「家内」が一番多く、「お母さん」というのもありました。関西の方からは「嫁はん」というのもありました。また、妻のことを知っている人には「妻の名前」を使うという人もいました。

 私個人について言えば、主人は結婚当初は私の名前を呼んでいました。「さん」付けではなく、単に名前だけです。年が経つにつれて、名前も呼びますが、「おい」とか「おーい」とか呼ぶことが多くなりました。今では「どう思う?」とか「もう行ってきた?」のように、呼称や名前を抜きに話を始めることが多くなりました。

 今回は呼称をもう少し続けます。

 今回は、子供と親の関係についてです。お子さんはあなた方(つまり、親)のことをどう呼んでいますか?

         

 男子と女子では違うことも多く、男子は父親に対しては「パパ」から始まって、「お父さん」「お父ちゃん」「父さん」「父(とう)ちゃん」、もっと大きくなると、「おやじ」が多いようです。女子は「ママ」から始まって「お母さん」「母さん」、「お母ちゃん」「母ちゃん」が主流です。(もっと上流の家庭では、「お父様」「お母様」を使うこともあるようです。)

 女子が父親に「おやじ」と言うことは少数ですが、元気な女子高校生なんかにはありそうです。

               

 呼び方には子供と親とがどういう状態にあるかが関わり、反抗期などは、男子は(時に女子も)父親を「あの人」と呼ぶこともありそうです。または、あえて無視を装って、「何時に帰ってくるの?」というような言い方で、呼称を省く傾向もあります

 では、次に、視点を少し変えて、あなたがお店に行った時、店の人はあなたのことをどう呼ぶか考えてください。今はスーパーやコンビニで買物することが多いので、店員さんがあなたのことを呼ぶことは少なくなっていますが、例えば、魚屋さんのご主人とか、店員さんとかはどう呼ぶでしょうか。

 

        

 

 私の場合、子供の時や娘時代の時は「お嬢さん」とか「お嬢ちゃん」でした。それが、「お姉さん」になり、中年のころは「お母さん」になりました。「お姉さん」と言ってもらうほうが嬉しかったのですが、今はどの店の人も「お母さん」と呼びます。「お母さん、安くしときますよ」という感じです。「おばさん」とはあまり呼ばれません。他人行儀に感じるからでしょうか。

 また、「おばあさん」は誰も言いません。「おばあさん」なんて言ったら、言われた女性は、次回からその店では買うことはないでしょう。

 では、宿題です。

 電車やバスの中で、小さい男の子や女の子と乗り合わせたと思ってください。次の場合、あなたは彼・彼女にどのように呼びかけますか?

1.

1)「坊や・ぼく・きみ・あなた・もしもし・あの~・(その他   )、これ落としたよ。」

2)「お嬢ちゃん・お嬢さん・あなた・もしもし・あの~・(その他  )、これ落としたよ。」

 

     

 

2.

1)「坊や達・ぼく達・きみ達・あなた達・もしもし・あの~・(その他   )、

ちょっとうるさいから、静かにしてね。」

2)「お嬢ちゃん達・お嬢さん達・あなた達・もしもし・あの~・(その他  )、

ちょっとうるさいから、静かにしてね。」