124)「平成の三四郎」古賀稔彦さん

 

 

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 柔道家古賀稔彦(としひこ)氏が亡くなった。53歳の若さである。死因はガンということである。

 「平成の三四郎」と言われ、小さな体で大きな相手を投げ飛ばした。1992年のバルセロナオリンピックで金メダルを獲得した。

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 32歳で引退してからは、自宅に創設した柔道場「古賀塾」で、後進の育成に尽力した。

 少しはにかんだ、紅顔の美少年で、明るく、それでいて謙虚な態度・振る舞いが私は好きだった。きっと日本中で、また、各国で彼の死を悼み悲しんでいる人がたくさんいることだろうと思う。

 古賀稔彦氏が残した名言と言われるものがインターネットに載っている。(『名言テーマ一覧』古賀稔彦 名言集・ 格言) その中から自分の好きなものをいくつかを選んでみた。

 

(1)夢の実現のために大事なのは、日常生活の中で、挨拶をはじめ、当たり前のことを当たり前のようにできる自分であることだと思います。

(2)仕事で困難に直面したときでも、受身一方の気持ちだと、困難から逃げることしか考えません。

(3)選手をはじめ道場の子どもたちが、柔道の練習で行き詰っているときは、「一回、柔道衣を脱ぎなさい」と指導し、違うことに取り組ませます。

(4)人の意見を十分に受け入れて、「自分だったらこうする」という姿勢を示すべきです。行動に自分の考えを入れなければ意味がないんです。

 

 これらを読んでいると、古賀氏の考え方の根底には、「何事もやるのであれば、自分のこととして本気で取り組め」というメッセージが含まれているように思う。私は個人的には(3)が気に入っている。行き詰ったときに全く違うことをやると、案外、解決への糸口が見つかったりするものだ。

 

 古賀氏とは一面識もない、単なるファンの一人であるが、彼があるテレビ番組で披露した作法を我が家では守っている。もう何年にもなる。

それは、タオルのたたみ方と、靴下のたたみ方である。

 その当時は、名だたる柔道家がそんな家庭の細かいことを披露すると思ったが、やってみるとなかなか便利である。

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 タオル(手ぬぐいも同じ)のたたみ方:

 タオルはまず横長に半分に折る。半分に折ったタオルを1/3ずつ三つ折りにする。そして、最後にそれを半分に折る。

ただそれだけであるが、常にそうしておくと、サイズも揃い、棚に積むときにほどよい大きさで扱いやすくなる。

 

靴下のたたみ方:

 ここで言う靴下は、紳士用の見られる半ソックスのことである。

 まず、片足ずつを平らにして2枚重ねる。2枚重ねたものを二つに折る。そして、上側に来た靴下の足首口から手を入れ、くるんと下側の靴下の中にくるむ。

くるんだものを手のひらでパンパンと叩いて平らにすると、平べったくなり、整理しやすくなる。

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 たったこれらだけのことだけど、古賀稔彦氏から教わった日常の作法がこれである。彼は私達家族にとっては強い柔道家というより、人なつっこい、礼儀正しい好青年であった。

・・・心よりご冥福をお祈りいたします。・・・