40)外国人留学生の会話(4)結婚

外国人留学生の会話のクライマックスとして「結婚」を取り上げる。若い学生たちにとっては最大の関心事であるので、活発な意見が出ている。学生の国籍は、韓国、中国、台湾、ドイツ、アメリカ、イギリスなどである。

結婚反対派と結婚賛成派がいて、反対派は結婚より自由のほうが大切だと主張し、賛成派は結婚して家族を持つことが、平凡でも幸せに通じると主張する。

欧米系は前者でアジア系は後者ということも言えるが、最近では一概にそうは言えなくなっている。結婚に対する考え方は、地域差というより、個人差とも考えられる。アジアの学生にも自由を重んじる人も出始めている。

今までの会話(1)(3)では、言いよどみ(フィラー)や無駄な繰り返しなどを訂正したものを載せたが、今回は学生の自由な気持ちを聞いていただきたいので、ほとんど訂正しないオリジナル会話をお送りする。読みにくい個所が多々あると思うが、我慢強く読んでいただけたら、幸いである。

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I:これから討論を始めます。司会のIです。

S:司会のSです。よろしくお願いします。

I:今日は、現代男女の結婚観について、みんなと討論したいと思います。

まず、この新聞記事を皆、もう読みましたよね。

で、今日は最初はみんなの自分の経験とか期待をお話を伺いたいと思います。

誰か、この点、この自分の経験を話したいです、みんなどうシェアしたいですか。

S:皆さんのご意見をお願いしたいと思いますが。

O:経験、あまりないですね。

S:期待というのはありませんか、結婚について。

I:みんな結婚したくないですか。

G:いやあ、結婚ていう、結婚の経験ですか。()

I:一応、結婚した方もいますけど。

K:私は結婚について、結婚はしたほうがいいと思いまして。

結婚すれば精神的に、心理的にも落ち着けるし、もっと計画的に消費生活を営むので、無駄な金遣いが少なくなる、経済的にも安定できると思います。

何よりも子供を持つことが社会的に認められるので、独身のときよりも責任感を持って、一層真剣な姿勢で、社会生活に臨むことができるようになります。

また、人目を伺わず(→はばからず)愛する人や自分の家族といっしょにいられることも、結婚生活の長所として挙げられるのではないかと思います。

SKさんのご意見、ありがとうございます。

あの、K黄さんのご意見について、何かほかの皆さん聞きたいことありますか。あるいは、自分の期待を話したい人がいれば、お願いします。

M:あの、まずは、僕は絶対、結婚するつもりはない。

それは、ま、なぜかというと、私にとって結婚は、ま、まず貴重じゃない。

ということは、もし、ほかの人と一生涯いっしょにいれば、それは、法律上結婚することなしでもできると思います。愛さえあれば。

そして、その愛がなくなったら、結婚という束縛がないから、すぐその場、すぐでもないけど、比較的に簡単に、ま、その関係を終わらせることができるので、自由性は、私にとって、あの、人生に一番大事なのは、自由、ま、自由性と思います。

でも、結婚と、あとは子供を生むのは自由性を奪ってくるから、それはあまり、ま、するつもりはない。

例えば、私が目指している仕事は、ま、この前も話したように通訳なんですけども、通訳としては、今は理想的に世界中のいろいろな国々に行く必要があるので、そして、もしかして、ドイツの国の中でもいろんな町があるので、もし結婚していれば、それは家族にとって迷惑になるので、あまり。

ま、結婚をどっちかというと避けたいと思っています。

IMさんの言うよう、言ったように、自由と結婚の価値が、人によって、やっぱり違いますので、ほかの人はみんな結婚と自由、この2つの価値観、どうですか。

S:たとえば、女性のほうはやっぱり結婚しても仕事を続きたい(→続けたい)人がたくさんいると思いますが、あの、みんなは仕事と結婚生活は両立できると思いますか。

B:あの、すみません、その前にちょっとMさんに質問したいんですが。

え~と、確かに言ったことは間違ってないと思うんですけど、そういう状況で、一人の相手を探すのってあんまり、あり得ないんじゃないですか。

何かけっこう理想的な話でしょ。

結婚なしで、こう正式に結婚してない形で結婚してるような生活、だけど、そういう女性を、相手の女性を探すのって、けっこう・・

M:今の彼女と、そんな理由であまり長くすることはできない感じで、それでも、ま、正直に言えばそういうことです。

でも、皆さん、今、それとも、今から5年先とか、愛してる人を一生涯、ま、その人と一生涯いっしょにいることは(→とは)必ずしも限らないでしょう。

僕はその、そう考えたうえで、一生涯、あまりにも不幸な付き合いを続くより、自由を。で、結婚を避けたいです。

B:私も賛成ですけど、やっぱり矛盾があるんじゃないですかね。今は若いですけど・・。

M:もちろん、もちろん、私はどっちかと言うと、あの、僕は自由のほうが大切なので、妥協できるほど(→あいだは)恋人といっしょにいたいですけれど、もし私の妥協できる程度を越えたら、やっぱり、その関係を終わりにしたほうがいいんじゃないか・・。

B:でも、やっぱり年とったらもう恋もあまりしなくなるんじゃないですか。

M:年をとるとともに、私の今の意見は変わってくる可能性もあるかもしれない。

でも、一応、今の経験と価値観から言えば、そういうものですね。

S:はい、ありがとうございました。

では、あの、今クラスの中にも女性の方の何人もいらっしゃいますので、ちょっと女性の考え方を聞かせたい(→聞きたい)と思いますが、どうでしょうか。

Y:私は、常に人生のゴール点は幸せな結婚だと思って、それが人生で一番難しいことだと思ってるので、結婚は、するしないは自分の自由ですけど、私にとっては結婚は人生で一番大事なことです。

あの、どんなに自分が成功しても、あたたかい家族がないと。

私はそれを自分の親から感じているので、もし、成功と幸せな結婚があったら(→なら)、私は成功捨てて、幸せをとる・・。

E:私もYさんの意見に賛成です。私にとって、結婚して、家族を持って、子供を産むことは、人生で人間ができることの中に(→で)一番えらいことだ(→立派なことだ)と思いますので、私もYさんの意見に賛成です。

M:その理由を聞きたいんですけど、今の価値のその理由(→その利点)は何ですか。

私の場合は自由がなくなるから結婚はしないので、結婚を人生の中で一番偉い(→立派なことだ)とか、自分を支えてくれる温かさがあるとか言いますが、自分のことを支えてくれる温かさは、友達同士でもいいです。

そして、一番偉いこと(→立派なことだという考え)はやっぱり個人的な考えに過ぎないので、その判断に達した理由は何でしょうか。

E:やっぱり私は、自由、自由と結婚、どっちかを選ぶということじゃなくて、私にとって結婚して家族を作ることは、別に拘束ではないんですよね。

M:理想的じゃないでしょう。

E:理想的じゃないと思います。

自分の家族はみんなけっこう自由的に住んでいるんですけども、あの、お互いにすごくあたたかいに(→温かく)してくれるので、自分が、自分の家族のような家族を結婚して作るのが夢みたいなことなんですね、私にとって。

Y:私にとっても結婚、結婚が拘束じゃないし、自分の自由が、もし、自分の自由が削られるといっても私は放棄できる。

私に一番問題なのは、問題っていうか、私にとって一番難しいのは、私のお父さんのような男に恵まれる、本当に会えるかどうか問題だと思うし、私の理想は私の父なんです。