223)★#日本語文法ものがたり18★動詞の分類

             

 「食べる」「走る」「行く」など、動詞は色々な分類ができます。「形」の分類では、皆さんが中学校・高等学校で習った「5段活用」「上一段活用」などのように「動詞の活用」があります。

  

五段 :行く  行かない 行きます 行く  行く(とき) 行けば  行け

下一段:食べる 食べない 食べます 食べる 食べる(とき)食べれば 食べろ

カ変 :来る  来ない  来ます  来る  来る(とき) 来れば  来い

 

          

 皆さんも「かこきくけけ」とか、「さしすするするすれすれしろしよ」などと唱えたのを覚えていませんか。

 

 動詞は、また動作を表すか状態を表すかで分類することもできます。

動作を表すものは、「食べる、読む、書く、話す、考える、働く」などですね。一方、状態を表すものは「ある、いる、できる、分かる、要る、違う、困る」などがそれに当たります。

 

 また、「テンス・アスペクト(「とき」)」による分類もあります。これは動詞に「ている」を付けた時、どのような意味を持つかによって分類するものです。(金田一春彦(1950)「国語動詞の一分類)

 「ている」を付けることで、動詞は次の4種類に分かれます。

 

1グループ: 「ている」が付かない。

2グループ: 「ている」が付いて、動作の進行(継続)を表す。

3グループ: 「ている」が付いて、変化の結果の状態を表す。

4グループ: 通常、「ている」が付いた形で用いられる。

 

 1グループの「ている」が付かないか、または、付きにくい動詞には「ある、いる、要る」など、「状態動詞」の一部がそれに当たります。

「テレビがあっている」「犬がいている」「お金が要っている」などとはあまり言いませんね。

     

 

 2グループは、「ている」が付いて、「動作の進行(継続)」を表す動詞です。 

「食べる、書く、勉強する、走る」などの動きを表す動詞がそれです。「ている」が付くことによって動作が続いていること(動作の継続)を表します。これらの動詞は「継続動詞」と呼ばれます。

 

(1)今ご飯を食べている。

         

(2)手紙を書いている。

         

(3)走っている。

           

 

 3グループは、「ている」が付いて、「変化の結果の状態」を表す動詞です。

「死ぬ、知る、止まる、こわれる、消える、起きる」などがそれに当たります。

これらの動詞は通常、その動きが瞬間的に終わるので、「瞬間動詞」、または「変化動詞」と呼ばれます。瞬間動詞に「ている」が付くと、「変化が起こって、その結果の状態が残る」ことになります。

 

       

 

例えば、「人が死ぬ」は「人が死んだ」という変化が起こって、その結果、「人が死んでいる」という状態が残ります。「電気が消える」も、「電気が消えた」という変化が起こって、その結果、「電気が消えている」という状態が残ります。

「ている」を付けて、このような意味になる動詞が3つ目に当たります。

 

 4グループは、日ごろから「ている」が付いた形で用いられることの多い動詞です。第四種の動詞と呼ばれるもので、例えば、「山がそびえている」の「そびえる」、「先がとがっている」の「とがる」、「この作品が一番すぐれている」の「すぐれる」などです。

私達はヒマラヤを見て、「ヒマラヤがそびえる」とはあまり言いませんね。「ヒマラヤがそびえている」と言うでしょう。

        

         

教会の尖塔を見て、「先がとがる」よりは「先がとがっている」と言うでしょう。「この製品がすぐれる」と言うより「この製品がすぐれている」と言いますね。

          

 

「変な形をしている」「可愛い顔をしている」の「~をしている」(「~をする」)もこのグループの動詞です。

 

     イラスト変な形 に対する画像結果

 

 何か1つ動詞を取り上げて、それが4つのグループのどれに属するかを試してみてください。動詞の持つ意味合いがより深く感じられますよ。

 

 では、宿題です。

 次の4つの動詞は1~4のどのグループに入るでしょうか。まずは「ている」を付けて、文を作ってください。そして、その文は何を表しているか考えてください。

 

(1)(吾輩は猫)である

          

 

(2)(演歌を)歌う

           

 

(3)結婚する    

  イラスト矢印 に対する画像結果   イラスト結婚している に対する画像結果

 

(4)(空が)澄む