134)大雨の通院

 

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 湿疹が治らなくて、この1、2年皮膚科に通っている。

病院が駅前の便利なところにあるので、いつ行っても混んでいる。

きのうは、台風並みの雨と風であった。前日まではよい天気であったので、急激な気象の変化に戸惑ってしまう。

 皮膚科に行くときは、たいてい朝10時過ぎである。早朝患者の波が引いた11時半ごろがすいているように思うし、以前一度そのころに行ったことがあるが、やはり結構待たされたので、今は10時過ぎを続けている。

 リビングの窓から外を見ながら考えた。

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 今朝は朝からかなりの雨が横なぐりに降っている。こういう天気のときは誰も外へ出るのを嫌がるものだ。こういう天気のときは、病院もすいているはずだ。

 よし、今日は病院へ行ってみよう。絶対待たずに診てもらえるはずだ。

 

 夫に頼んで病院まで車で送ってもらった。それが9時15分。医者は9時20分ごろに現れるので、待っている患者は少ないはずだ。

 そう思って待合室へ行くと、不吉な予感がした。いつもの混雑ぶりと変わらないではないか。

「え~っ、まさか!」

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 そして、受付でもらった診察待ち番号は16番であった。

いつもの10時過ぎに行ったときの、それも混んでいるときとあまり変わらない。前回は19番で、2時間近く待たされたのを覚えている。

「いやだなあ、また延々と待つのか・・・」

 

 順番を待っている間に考えた。先に来ている患者は老人もいるが、若い人もいる。サラリーマン風の男性もいるし、奥さんふうの女性もいる。

 この嵐の中を出かけてくるのはなぜだろう?

 

 そして、答えに思い付いた。

 

 彼らは天気に左右されない、病院へはいつも一番乗り、一番乗りとは言わなくても、きちんと早く着くという連中なのだ。

 そういう真面目な、一団の人達がこの世にはいるのだ。

 

 大嵐でも、病院には必ず開院と同時に行っている、という人達が15人もいるのだ。

中には私と同じで、大雨だからすいているにちがいないと思って、早く来た人たちもいるだろうが、こんなにたくさんの人が、集まるのだ・・・。

 

 関係するかどうか分からないが、ときどきテレビで、何かの催しがあって、その催しがどんなに小さなものであっても、また、宣伝が行きわたっていなくても、何人かの人が開館前に並んでいるのを報道することがある。

 誰に聞いたのか、どこで聞いたのか、必ず何人か人がいる。

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 怠け者の私は感心してしまうのだが、これも嵐を突いて通院する人たちと同じであろうか。

 

 こういう人たちの心理は何なのだろうと考える。

 真面目さか、腰が軽いのか。行動派なのか、ひま人なのか。

 

 いずれにしろ、次回から何時にこの皮膚科に行けばいいか、考え込んでしまう大嵐の日であった。