日本でコロナ感染が始まってからもうすぐ2年になる。現在第5波が収束しつつある。緊急事態宣言も今月で終わる可能性が濃くなっているが、しばらくは予断を許さないのが現実だろう。
この間(かん)、私達はテレビや新聞、雑誌その他でいくつものコロナ関係の言葉にさらされてきた。
「ステイホーム」「ソーシャルディスタンス」「パンデミック」「ロックダウン」などなど・・・、そのほとんどがカタカナ語である。
よく言われる「コロナ禍」は漢字と結び付いた語だが、「禍」は「わざわい」を表し、「新型コロナウイルスによる被害」の意味を表す。
「パンデミックがオーバーシュートでロックダウン」
というような文を見かけるが、これは、感染症が世界的な大流行(爆発的な感染拡大、患者の急増)して、社会が社会活動・集会の禁止、海外渡航の禁止、外出禁止などを行っているというほどの意味である。
クラスター(小規模な患者の集団)ということばもよく使われた。また、病院では、ECMO(エクモ)(肺の働きが弱くなった患者の血液を体外に出し、酸素を入れてから体に戻す医療器)も何度も登場した。
私自身は、最初のうちは新しいカタカナ語にも何とか付いていけていたが、だんだん分からない語が増え始めた。
最近分からなくなってきた用語は、「抗体カクテル療法」、「ブレークスルー療法」、「ブースター接種」などである。
まずは、「抗体カクテル療法」。
「カクテル」っていくつかのお酒を混ぜ合わせて、最後に氷を加えて作る洋酒系の飲み物だということは分かるが、どんな「療法」なのだろう。
調べてみると、「カクテル療法」とは複数の薬を各人の症状・体質に合わせて組み合わせて投与し、病状を押さえる治療法のことで、「抗体カクテル療法」というのは、新型コロナウイルスの増殖を防ぐために、2種類の抗体(免疫のもと)をカクテルのように混ぜ合わせて使用する療法らしい。
次に「ブレークスルー療法」と「ブースター接種」。
両方英語からのことばである。
英語辞書で「ブレークスルー」は、「研究などの『大発見、躍進』、「交渉などの『進展、打開、突破、打破』」の意味を持ち、どちらかと言えば、よい意味に使われる単語のようだ。
「make a major bereakthrough in cancer treatment
この文は「がん治療における大発見をする」と訳す。
コロナ感染で使われている「ブレイクスルー感染」は「ぶち抜き感染」「突破型感染」とも言われるらしい。
ワクチンを接種したのに免疫抗体ができず、同じ感染症にかかってしまうことを表す。つまり、ワクチンを打っても効かないという、マイナスの表現に使っている。
日本で「ブレークスルー」は比較的よいことに使うので、混乱してしまう。できたら「ブレークスルー」なんて呼ばないでほしい。
次は、「ブースター接種」である。「ブースター」は「(電気)昇圧器、増幅器」を表す。「尻押しするもの」の意味もあるようだ。
コロナ感染では「追加接種」の「追加」という意味に使われている。ブースターは増幅器の意味だから、何かが増幅される、つまり、「追加」されるの意味で使われているようだ。
これらの語は英語をそのまま使っているのだろうが、カタカナ語に振り回されている感じがする。ある程度英語を学んだ人間でも混乱してしまうだから、普通の人はうんざりしてしまうのではないだろうか。
カタカナ語多用の不満に加えて、3回目の「ブースター接種」について、ちょっと素人の気持ちを言わせていただく。
私は、個人的には、3回目の接種なんて受けたくない。1回目、2回目もかなり大変な思いをした。何度か電話して予約を取って、自分の日程を工夫して、接種の次の日は休めるぐらいの手はずをした。あの忙しい思いをもう一度やれと言うのだろうか。
そして、もしかしたら、4回目の接種ということもあるかもしれないではないか。
この際教えてほしいことがある。私は2回ともファイザー社の注射であったが、あれは1回分、費用はいくらぐらいするのだろうか。一度も値段は公表されたことはなかったが、国はファイザー社に1回分いくらで購入しているのであろうか。(なぜ公表しないのだろう。それも不思議である。)
それから、3回目の接種が始まった場合、3回目の注射代もすべて日本が払うのであろうか。
私は、追加が必要であるなら、ファイザーをはじめとするモデルナやアストロゼネカなどの製薬会社が3回目ぐらいの費用は負担すべきだと思う。
それぞれの会社が作った薬でまだ不安が残るのであるから、それぞれの会社は最後まで責任を持つべきである。不安が残らなくするための3回目以降の注射は、製薬会社の責任として、無料で提供すべきであると思うのだが、いかがなものだろうか。