117)ガチャポンをめぐって

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ときどき回転寿司屋に行く。値段が安いというのもあるが、カウンターの前に板前さんがいないので、気が楽である。

K店は回っているお皿にすべてプラスチックのふたが付いているので、このコロナ禍では安心な気がする。                

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私達の座席の一つ奥に子供連れの家族が座っていた。男の子は2歳ぐらい、女の子は3歳から4歳ぐらい、それに若いパパとママ。

男の子は人なつっこく、しょっちゅう私達のほうを振り返って見る。私が手を振ると、彼も手を振ってくる。

 

食事中はその子のことは忘れていた。

 

K店はプラスチックのふた以外にいくつかのサービスのための仕掛けを作っていて、食べたお皿をテーブルの端のスリットに落とし入れると、自動的にお皿の枚数を計算してくれる、また、お皿何枚かの抽選で、ガチャポンを1回引かせてくれる。

ガチャポンはガチャガチャとも呼ばれるカプセルトイ(中におもちゃやカードが入っていて子供に人気がある)が出てくるゲーム機で、いろいろな店の前に並んでいたりする。

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いつもはほとんど当たらないが、その日に当たった。ガチャポンを引いてみたら、中にフィギャーの入ったカプセルが出てきた。

その時私は一つ奥の席にいた男の子を思い出した。彼がここを通るとき、このカプセルをあげよう・・・。

しばらくすると男の子が通った。父親といっしょにたぶんトイレへ行くのだろう。

私は「はい」と言って男の子にカプセルを渡した。男の子はカプセルを受け取ってとても喜んでいた。私は人に何かしてあげるのが好きなので、男の子以上にうれしかった。  

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 ところが、そのあとで男の子の家族が何かもめている。もめているというか、女の子が弟のカプセルをほしがっているような声が聞こえるのであった。

パパとママは女の子をなだめすかしていたが、女の子は聞かない、自分もカプセルがほしいと何度もせがんでいる。

私は困った。そうか、小さい子はカプセルがほしくなるのだ。私は男の子のことだけ考えていたが、お姉ちゃんだってほしいのだ。

パパは最初はなだめていたが、結局は女の子にガチャポンをさせてやることにしたようだ。待合スペースのガチャポンの機械に女の子とパパがいる。ママと男の子は、少し離れたところで2二人の様子を見ている。

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パパは、そこで、100円か200円払って、娘にガチャポンをやらせている。娘は泣き止んで、今は嬉々としてガチャポンの機械に向かっている。

 

良かれと思って弟にカプセルをあげた。すると、お姉ちゃんもそれをほしがった。言い聞かせても聞かないから、結局、親はお金を出して、お姉ちゃんの分までガチャポンをやらされる羽目になってしまった。

 

ああ、そうか、もっと考えて行動しないといけないな。

いつも思いついたら、まず行動してしまう自分を大いに反省した出来事であった。