今回は「早期英語教育」の第3弾。ディスカッションの焦点は「早期英語教育」はどうあるべきかが中心になっている。Jは両親が日本人でアメリカに長期滞在している学生である。
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C:Sさん
S:僕がまず話したいのは、小学校の早期英語教育の目標というか方針は、文法的な教育とかじゃなくて、実はまず、興味を育てるとか、英語のゲームを勉強したりとかそういうことやったら、絶対に母語を混乱させることは絶対に起こさない(→ない)と思う。
だから、今やってるのは(→が)そういう方針であるかどうかはわからないけど、そういう方針に基づいた言語教育は子供達に役に立つと思う。
C:はい、どうぞ。
m:はい、私が言いたいのはSさんがおっしゃったこと(→ことと)かなり重なっています。
つまり、人は暗記力が(→は)強いんですけど、たくさんの単語を押し付けると英語が嫌いになる可能性がけっこう高いと思います。
ですから、小学生時代はやはり単語の面では適当な量でいいと思います。
C:小学校で英語を教えるというのは全体的な傾向として決まっているんですが、これから皆さんといっしょに、小学生に英語を教えるなら、どんな方式をとるほうがいいかということについて話したいと思います。
Yさんはどうですか。
Y:英語早期教育の仕方については、まず私自身はそんな経験はないんですけど、自分の考えではやっぱり押し付けないほうがいいと思います。
で、あのー、たとえば遊びとして教えればいいんじゃないかと思います。
早期英語教育というものは、試験とか進学とかそういうためじゃなくて、やっぱり英語に興味を引き出させるようなことが大事だと思います。
C:Jさんは英語を勉強したとき苦労したと思ってましたか。
J:物心が着く前にアメリカに行ったので、覚えていません。
申し訳ないんですが、苦労したとか、楽しかったとか、8歳のときだったので、ほんと覚えてないんです。
必死に付いていこうとしたのかも覚えてない。自然に身に付いてきたとも、もしかしたらそう考えれば、言えるのかもしれませんね。
C:Fさんの考えでは、早ければ早いほうがいいというのは、もっともっと0歳から、もうほとんど母語と同じときに始めたほうがいいという・・
F:そこまで言うとは思わないんですけど、台湾ではね、今はすでにそういう親が出てしまった・・
Y:Jさんはやはり早期英語教育の成功の例ですが、(笑い)
Jさんは子供のころから(→だから)英語の勉強を楽しんだか全然覚えてないんですけど、それ(→英語)は自然に身に付けたと思いますんで、Jさんに英語にはいくつの文法があるか聞いたら、Jさんはご存知ですか。
たぶんあまりご存じないですよね。
やっぱりさっきFさんがおっしゃった通りに、Fさんは中国語はうまいけど、中国語について文法とかそういうものがあまりわかりません。
何か早期英語教育によってほんとに身に付ける、皆さんは英語を1つの科目と思わないで、ただ1つの言葉のようなもの、あるいは、コミュニケーションの道具のようなものと思ってもいいかなと思います。
C:Gさんの話を聞きたいのですが、いいですか。
G:子供の英語教育が早ければ早いほどいいという言い方をおっしゃったそういう方々の大半はですね、やっぱり子供の時期から英語を教えて子供の身に付けさせることができるという論点から言ってたんですよね。
でも、私はそんなに簡単な問題ではないと思います。
なぜかというと、子供に正しい英語を教えるためには、外国人教師を養成とか選抜とか、それが大切ですよね。
でも、そういう教師の養成とか選抜はかなり難しいですから、そういうことを、教師にふさわしくない外国人に子供の早期英語教育の責任を任せたら、子供には逆効果をもたらす可能性もありますから。
で、Jさんの場合は、それはJさんのお父さんがJさんを連れて、アメリカに行った、そこには環境があるので、英語能力を自然に身に付けることができます。
我々親はそんなふうに子供を外国に送ることはできないし、可能性もないと思いますので、だから、現実として考えると、やっぱり子供の時期から英語を教えるのは考えものだと思います。
F:はい。お話ししたいことは2点あります。1つ目は私はYさんのおっしゃったことに賛成です。
つまり英語を科目ではなく1つの言葉として教えたらいいと思います。
たとえば英語を異国文化に触れる手段として教えたら、つまり新しいことを教える(→教えるの)にもつながっているんですから、子供達はたぶん面白がると思います。
簡単に言うと、やっぱりテストを少なめにしたほうがいいと思いますけど。
U:私は小学校の英語教育のやり方で、まずは先生の選択は(→が)とても重要だと思います。最初、新しい言語を勉強するとき、発音はとても重要だから、もし先生の発音が悪かったら、生徒達はたぶんみんな間違って発音を勉強する可能性があります。
あとで直すことはとても難しいと思いますから、やっぱり、先生の選択は厳しくやることがとても重要だと思います。
そして、小学生の子供は若いから、やっぱり面白く授業やりたい気持ちがあります。
だから、英語の試験は止めたほうがいい。ただリラックスな雰囲気を作って、英語会話の雰囲気を作って、絵とか、ビデオとか使って、英語の、外国語の楽しさ教えて、そして自然にコミュニケーションのために教えたほうがいいと思います。
J:皆さんは英語を教えることにおいてリラックスした環境とかにものすごいこだわりを見せていますが、僕は反対に英語を全く違う科目として確立させて教えることが大事だと思います。
母国語と英語の区別ができなくなって、頭が混乱状態になってしまう子供は海外でしか起こらない現象ですが、あります。
日本で日本語を教えている限りあり得ないことと思っていらっしゃると思いますが、もし本当のバイリンガルな子供達を育成させていきたいのであれば、直面する問題だと僕は考えているので、英語の授業は英語の授業、日本語の授業は日本語の授業ていうふうに授業の区別を、子供の小さなときから付けていくことがすごい大事なポイントだと僕は思います。
C:それに皆さん賛成ですか。英語は科目として自分の母国語ではないよということを強調すべきですか、小学校で英語を教えるとき。はい、Jさん。
J:外国語の勉強と母国語の勉強、授業時間は同じではなくて、やっぱり母国語の授業時間が長いほうがいい。
外国語の勉強(→外国語の勉強は)、1週間に2時間ぐらい、適当な量やったほうがいいと思います。
そうしたら、たぶん子供を混乱させないと思います。両立できないことはないでしょう。
F: 今までのディスカッションを簡単にまとめてみると、やはり早期英語教育は、賛成派もいますし、反対派もいます。賛成派はまず英語の教育はとても重要だと。
もう一つは子供の時期は覚えが早いから早く始めたほうがいいという意見で、反対派のほうは、英語よりどうしても母国語がまず一番大切で、(英語が)早く始まったら、母国語が逆に影響されて、両立はとても無理らしいということですね。
で、どうしても、たとえば小学校で、英語の授業を始めようとしたら、皆さんが一致して言うのは、教え方がとても大事だということですね。
そしてその中で、けっこう話を重ねたのは、教員の、小学生の英語の勉強には英語に対する興味を引き出すことが重要だと。
で、最後結論としては、小学校で英語の教育を始めようとしたら、大量にやるのではなく少しずつ始めようという結論で、よろしいですか。
C:何か加えたいことがありますか。
S:うーん、やっぱり教育機関の、その指導的な方針が大切ですね。我々が決められないことですからね。