春菊をたくさんいただいた。家庭菜園で採れたものだという。
ビニール袋を開けると、ふわーっと春菊の爽やかな香りが立ちこめる。もっと刺激のある匂いかなと思っていたが、案外、刺激の少ない、遠慮がちな香りが鼻を突く。
春菊は足がはやい。畑で採ってきたばかりのものらしいが、時間が経つとすぐにしおれてしまう。
丁度その日、テレビで春菊を使った料理番組をしていた。
春菊のお浸しとか、味噌汁に入れることぐらい知らなかったので、さっそく番組の献立を取り入れることにした。
まず、春菊を使った「水餃子」。
大判の餃子の皮を用意する。餃子の具は、鶏ひき肉と春菊。
鶏ひき肉をボールに取り、軽く塩コショウをして、軽く練る。そこへ4~5センチに切った春菊の葉っぱ部分を入れ、混ぜ合わせて、もう少し練る。
春菊の芯は少し固いので葉っぱだけを使う。芯は少し茹でて小さく切って葉っぱといっしょに入れてもいい。
餃子の皮に、鶏ひき肉と春菊の混ぜ物を適量のせて、皮の端に水を付けて半円形に閉じる。半円形になった餃子の丸いほうを下に向け、左右の端を水でくっ付ける。
端をくっ付けると、ちょうどコックさんの帽子のようになる。
お湯を沸騰させ、帽子型餃子を適量入れて、浮かび上がってくるのを待つ。浮かび上がってくると火が通っているので、もう食べられる。ポン酢などに付けて食べるとよい。
次の日の朝は春菊のスパゲッチティにした。これもテレビ番組からヒントを得た。
材料はスパゲッティとバター、塩昆布少々。
春菊は葉っぱだけを使用する。芯の部分は茹でて葉っぱといっしょに使ってもいい。
春菊は量が多いほどおいしい。
春菊に軽く塩コショウをして、オリーブオイルかごま油でよく和えておく。
スパゲッティは湯に塩を少し入れて、袋に記載された時間より30秒ほど短く茹でる(アルデンテに仕上げるため。)
茹で上がったら、適量の塩昆布とバターを混ぜる。塩昆布は市販のものでよい。塩昆布からいい味が出る。
スパゲッティの上に先ほどオイルを混ぜた春菊をのせて、出来上がり。
春菊は味噌汁にも合うし、お鍋料理にもよく合う。NHKの「ためしてガッテン」でも春菊特集をしていたが、春菊の香りと味を生かすには、春菊を20秒分以上煮ないことだそうである。味噌汁なら食べる寸前に、鍋物でも春菊をシャブシャのように湯に通すだけでいいという。
思いがけずたくさんの春菊をいただいて、春菊漬けの数日間であった。不思議なことに飽きるということはなく、まだ春菊料理を食べたいような気がしている。