46)に続いて、外国人留学生の話し方の傾向について考える。文法面では助詞の使い方や動詞の適切な形がとれないという話をした。ここでは、もう少し大きなスパンとしてく文と文とのつなぎ方について考える。文のつなぎ方は大きく二つに分けられる。
1.副詞節で表す場合(時間的な関係、因果関係(条件・逆接を含む)など)
例1:女性の差別とかいろいろ問題があって、社会全体の雰囲気や、公平な雰囲気を作って(→作れば)、いろいろ問題が解決できるのではないかなと思ってます。
例2:仮名(かりな)を使って(→使うと)、それを、何かかっこいい名前とか使ったら、ナンパすることが、やりやすくなるんじゃないかと、
例3:もし、成功と幸せな結婚があったら(→なら)、私は成功捨てて、幸せをとる・・。
例4:最初「ぼく」って自分のことに対して呼びましたけど、少しずつ「おれ」っていう言葉を何回か会話に入れて(→入れたら)、それ、やくざの言葉ですよって言われました。
例5:自分のどこからを見れば(→どこかを見て/特徴を見て)、自分の仮名を表す人が多いと思います。
例6:あとネット上で仮名を使っているのは、もちろん自分のこと隠すためということもあれば(→あるけれど)、一方で、ネット上の相手にそんなふうに思われるように仮名を使っていると思います。
2.「こと・の」のような名詞句・名詞節、「~という/思う」のように引用句・引用節で表す場合
1)「こと・の」の誤用例
例1:今から5年先とか、愛してる人を一生涯、その人と一生涯いっしょにいることは(→とは)必ずしも限らないでしょう。
例2:仕事を選ぶとき一番大切なことは、ほんとに自分が何が得意なこと(→得意か)を考えて、それをやればいいと思います。
例3:一時的にこの仕事はちょっとつらいとか、このままやりますと(→やるのは)非常に苦しいと思ったこともあるかもしれませんが、
例4:余剰博士の問題について、政府が何とかしてその問題を解決するの(→こと)もできると思いますけれど、
2)「~と(引用節)」の誤用例
例1:特にマスコミの報道ですね。あの、いつも博士はどのように立派ですか(→博士がいかに立派であるか)、将来の進学、就職はどのように立派ですか(→将来の進学や就職いかに立派であるか)、そういう積極的なマスコミの報道がいっぱいがありますけど、
例2:それは国によって事情が違いますと思います(→違う/違うと思う)とは言えるでしょうか。