157)自然がつくった青いビーム

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 今日お届けするのは、私の初めて書いた童話です。子供が小さいときに、勝手に作って、話してやっていたものですが、そのときは子供達がとても喜んで、特に「ビーム!」というところが気に入っていたようでした。何年かして、童話〇〇賞というのがあって、応募したのですが、見事落選してしまった作品です。

読んでみていただければ、幸いです。

 

自然が つくった 青い ビーム>

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 じょうぼうじ村のたぬきや、きつねや、さる、そのほかのすべての動物と、人間の子どもたち、太郎や次郎、花子は大のなかよしでした。

 いっしょに相撲をとったり、かけっこをしたり、鬼ごっこをしたり、楽しい毎日をすごしていました。

 喧嘩をすることもありました。なぐったり、なぐられたりすることもありました。     

       

 春が来て、夏がすぎて、秋になって、そして、寒い冬がやってきました。

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 人間の子どもたちは寒い冬が少し苦手です。

でも、大丈夫!

 

 「おおい、こっちに おいで。この穴で あそぼ。」

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たぬきと、きつねと、さるが、力をあわせて、山のそばに穴をほってくれたのです。

穴の中には、あったかい葉っぱがたくさんしいてあります。葉っぱは、夏のお日さまがあたためてくれたおかげで、とってもあったかいのです。

 

 人間の子どもたちは、暑い夏も少し苦手です。

でも、大丈夫!       

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暑い夏は、山の木が、木陰をつくってくれます。

大きな木でできた木陰の下は、とてもすずしいのです。

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 こうやって、春がすぎ、夏がすぎ、秋がすぎ、冬がすぎ・・・

 そして、一年がたち、二年がたち・・・

 

 あるとき、じょぼうじ村に、自動車道路がつくられることになりました。

 広い道路です。まっすぐな道路です。

道路はアスファルトで ピカピカひかっています。

町まで車で、かんたんに行けるようになりました。

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 そして、ある日たいへんなことがおこりました。

たぬきのポンタくんが、車にはねられてしまったのです。ポンタくんは道路ができたことは知っていましたが、たぶん 大丈夫だと思って、道路をわたってしまったのです。

 

 そして、その日の夜、きつねのコンちゃんが、車にぶつけられてしまいました。コンちゃんは、新しい自動車道路ができたことを すっかり忘れていたのです。すっかり忘れて、道路をわたろうと したのです。

 

 そして、次の日、さるのキキさんが車にはねられたのです。車の運転手が、小さなキキさんを見落としてしまったのです。

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 道路の右側左側も、みんなが 遊んでいた同じ場所です。いつも平気で行き来していたところです。

 道路の上に、ポンタと、コンちゃんと、キキさん、三つの死骸がころんでいます。

みんな悲しくなりました。最初はみんな、泣いてばかりいました。

 

 ところが、ふしぎなことがおこったのです。

 太郎が、たぬきのポンタくんをじっと見つめていたとき、太郎の目から、光がとびだしてきました。

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 ビーム!

 

 ビームです。あの、青い、強い 光です。

 

  次に、次郎がきつねのコンちゃんをじっと見つめました。

 

 ビーム!

 

  ビームです。あの、青い、強い 光です。

 

 次に、くまのゴンくんが、さるのキキさんをじっと見つめました。

 

 ビーム!

 

 ビームです。あの、青い、強い 光です。

 

 そのときです。

 

 たぬきのポンタくんの頭が、ぷくっと うごきました。

きつねのコンちゃんの耳が、ひょこっとうごきはじめました。

さるのキキさんのしっぽが、ぴっくとうごきだしました。

 そうです。みんなのビームで、たぬきも、きつねも、さるも 生きかえったのです。

わーい、わーい。

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 みんなは、どうして、ビームをだすことができたのでしょうか?

 どうして、ビームが動物たちをすくうことができたのでしょうか?

あの、空のお日さまの力が、みんなに「キセキ」をおこさせたのです。

森の中の葉っぱや、木々の力が、みんなに、「きせき」をおこさせたのです。

みんなが自然の中で、いっぱい遊んだので、その自然のエネルギーが、青いビームになったのです。

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 自然には、人を生きかえらせる力があるんです。

 自然ってすごいですね。

 

 きょうも動物たちと、人間の子どもたちは、土にまみれたり、川で水遊びしたり、自然の中で遊んでいます

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