44)外国人留学生の会話(5)自分らしさの仕事選びの基準②

外国人留学生の会話(5)自分らしさの仕事選びの基準②をお送りする。

前回はの「どういう基準で仕事を選ぶか」のディスカッションでは、その仕事が好きか否かなどの個人的な基準が話されていたが、今回はやや広い観点が話題になっている。その仕事が社会に貢献するものか否かという観点である。また「自分らしさ」と仕事との関わりについても議論がつづいていく。

今回も「会話」はほとんど訂正していないままのものである。

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p:最後にアメリカ代表、zさんはどういう意見持ってますか。

z:はい、あのー、今までみんないろんな才能とか、具体的な能力について、はなし、おっしゃっていますけど、でも、私にとっては、もっと自分の、何というか、思想というか、生き方について大切にしたい、したほうがいいと思います。

つまり、あの、だいたい具体的に自分はどの分野とか、どの、具体的に科学について得意があるということではなく、これから自分が世界にどういう、ど、ど、どういうふうに貢献できるかという考え方もすべきだと思いますから。

q:で、aさん。

a:えーと、正直に言えば、もし今回の発表会(→討論会)に出なかったら、私は今まで「自分らしさ」の基準で仕事を選ぶについては全然考えたこともなかったんです。

えーと、さっき皆さんが話したように、自分らしさの基準は、興味とか才能とかいろいろ話したんですけど、私は今考えたら、やっぱりそれはやりたいことと思ってます。

興味とか関係、もちろんありますけど、たとえば、私の興味はテレビを見ることだから、テレビに関する仕事するかと言えないでしょう。

じゃ、むしろ私やりたいことや、子供おったら、子供が好き、子供がかわいがってたらと思ったら幼稚園の先生にする、それは私のやりたいことです。

じゃ、幼稚園の先生にすることにします。ただ、興味とか才能とか関係ないと思ってます。それは私の基準です。はい、以上です。

q:ま、はい、最後にlさんの意見を。

l:あの、私は自分らしさって、今まで興味とか才能とか、そういうのももちろん関係あると思うんですけど、でも、ま、個人的話だと思うんですけど、私はどういう人がそういう仕事をしているかっていうことも考えるんですね。

だから、たとえば、あの、前に、あの、ま、自分の話なっちゃうんですけど、あの、あの、高校卒業したあと、やっぱ日本語できるから、日本語と関係あって、日本語と経済との関係がある仕事あれば、給料ももらえるからと思って、そういう仕事しようかなって思ったんですよ。

それで日本に行って、インターンシップ、日本の会社でインターンシップ、日本の会社での生活を経験して、で、そのあと、こういうの私に全然似合わない(→合わない)、こういう仕事はやりたくないっていうことがわかったんですよ。

それはやっぱ「自分らしさ」とも関係あると思うんですね。

どういう人が仕事やってて、給料だけじゃなくて、お休みどのくらい、お休みがとれるかとか、あとやっぱり、どういう人が仕事をやってるかとか、考え方(→考え方が)合うかどうかということも関係あると思います。

q:あのまだ、ま、発表、あ、ま、言いたい意見もま、けっこうありますけども、まあ、時間の制限の問題で、えーえー、ま、この内容をちょっとまとめて、つぎの内容に、あの、移りたいと思いますけど。

皆さんの、ま、意見として、あの、ま、基準、「自分らしさ」という基準は、ま、普通は、ま、自分の性格に合う仕事、そして、あの、やりたい気持ちがある、また、将来性がある仕事、とか、ま、自分のこうせいも発揮できる仕事もありますけども、ま、普通はそういう仕事もありますけれども、んーんー、あの、その基準で、何の条件で選べ、選べられない場合も、ま、よくありますよね。

たとえば、あのー、とても自分に合う仕事だと思って、と思ってますけども、やっぱり給料が非常に低い、そして、あの、時間的にもあまり合わないとか、いろいろありますよね。

だから、ま、あのー、「自分らしさ」ではない場合は、どんな基準であるか、皆さんにも、皆さんの意見も聞かせたいと思いますが。

p:続きまして、さっきlさんが日本語勉強して、経済にも興味あって、日本のまあ、その、日本の企業でインターンとして働いてみましたが、それは自分らしくないとlさん言いましたね。

皆さんにとって「自分らしくない」と判断するような仕事はどういうことでしょうか。

sさん、だいたい(→何か)意見がありますか。

s:はい、あの、実は私、前、あの、中国で大学を卒業して、1度就職したことあります、1年半ぐらい。

で、そのとき、どういう基準で仕事を選びたかと、選んだかというと、あのー、やっぱり正直に言うと、お金はやっぱり考えましたね、お金の基準は。

低くとしても自分の生活ぐらい、生活のできるぐらいのお金もらわないと自分も困りますんで、それも1つの基準として選べました(→選びました)し、また、あの、「自分らしさ」というのはさっきrさんも言ったように、能力をどういうふうに発揮できるか、ということも重要だと思います。

ま、あの、sさんの意見は、自分の好きなこと、できるというのは、もう、もし続けて1年、2年ぐらいずっとこういう仕事をやって、もし自分の能力とかなかなか発揮できない、周りの人に、周りの人の認めもなかなかもらえなければ(→なかなか認めてもらえなければ)、自分のこういう、なんか興味とか、なんか熱情とかもだんだん減らしちゃう(→なくなっちゃう)んじゃないですかと思います。

p:それは経営者がよく考えなければならないことですね。fさんは将来幼稚園の先生になってください。(笑い)

どう思いますか。

f:幼稚園の先生の仕事は興味はありません。給料も低いと思うんです。

アルバイトとして、コンピュータの仕事をやってました。給料もすごく多くて、普通のサラリーマンと変わらないと思いますけど、その仕事はほんとにつまんなくて、将来一生そういうコンピュータ関係の仕事やりたくないから、やめます(→やめました)

今日本語の勉強してるでしょう。今年はほんとに趣味として日本語勉強しています。

ほんと、私の大学で勉強しているのは薬理学で、専攻は薬理学です、薬理学、科学部の。

今年日本語勉強して、今年の日本語の勉強は趣味として、興味があるから日本語勉強してます。

「自分らしさ」は、また話が話変わりますけど、「自分らしさ」は職場以外のところにも存在することがあり得ると思います。

つまり、あの、仕事は、自分の人生は仕事だけじゃないんですよ。それから、ある人は、特にオーストラリア人は、ある人は給料の高い仕事とか、休みよくとれる仕事を、について、そして、その仕事、まあまあ努力して、あまり興味なくても、その仕事終ったら、家に帰って、ほんとに好きなことできるから、その貯まったお金できるから、それも「自分らしさ」・・・。

p:つまり、自分らしい仕事ができない人は、そういうふうに「自分らしさ」を示す・・。