いつ買ったのか、誰が買ったのか忘れてしまった缶詰が棚の奥にあったりする。絶対自分が買ったものなのに、すっかり忘れていて、「この缶詰、どうしたんだろう?」と思ったりする。
しかし、買物に行くのが億劫になったり、すっかり食材がなくなってしまったりしたとき、缶詰は重宝である。
この3日間、妙に落ち込んで外に出たくなくなった。食材も底をついてしまった。でも、あった! シーチキンと、サバの味噌煮と、イワシの缶詰が。
魚缶詰の良いところは、もちろん骨まで柔らかいということと、臭みがないということである。テレビの料理番組の記憶をたどったり、スマホを見たりして、3日間缶詰でしのいだ。いや、それがなかなかおいしいものができたので、今回はそれを紹介する。
まず、シーチキン缶詰。魚はマグロだったり、カツオだったりするが、これはお馴染みで使いやすい缶詰だ。葉(茎付き、以下同じ)のかぶを2個、シーチキン油漬け缶詰1個。調味料はごま油小さじ1、鶏ガラのだし小さじ1。今回はすべて2人前の分量。
この料理は火を使わない。電子レンジも使わない。
葉付きかぶを、かぶと葉に切り分ける。かぶは皮をむいて細切りに、葉は小口切りにする。かぶと葉に、ごま油と鶏ガラのだしを入れる。シーチキンを1缶、油汁が多い場合は油汁を除いて入れる。すべてを混ぜ合わせる。できあがり。
時間を置くと水が出やすいので、早く食べるか、冷蔵庫に入れて時々かき混ぜるとよい。
次に、サバの味噌煮缶詰を使ったスパゲッティ。
トマト水煮缶詰を汁ごと入れ、味付けのために、ケチャップと鶏ガラだしを適量入れる。火にかける。そこへサバの味噌煮缶詰を1個全部入れる。混ぜる。全体に火が通ったら、これを少し固めにゆでたスパゲッティにかけて、いただく。
サバの臭みなど全くなく、トマトと味噌がよいハーモニーを保って、こくもあってなかなかいける。
最後にイワシ缶詰。
正直私はイワシ缶詰が苦手で、いつもどうやって食べようかと考えてしまうが、これはなかなかおいしい。2人前で、ジャガイモ2つ(大きいものがあればそのほうがよい)。ジャガイモは洗ってビニール袋に入れて電子レンジにかけ、7割がた柔らかくしておく。
ジャガイモは皮をむき、5ミリぐらいの厚さの半円形に切る。いわしを汁ごと鍋に入れ、半分から1/4程度につぶす。そこにジャガイモを入れ、少し炒め煮する。みりん、酒、しょうゆ1:1:1で味を付ける。
イワシとジャガイモの組み合わせが素晴らしく、おいしくいただける。イワシ自体もおいしくなる。お酒のつまみにもグッドである。
以上、缶詰料理をご紹介したが、時間のないときや、献立に行き詰ったとき、いえいえ、メイン食材として魚の缶詰を使ってみてください。