129)シニア男性の女性化

              

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 健康番組で、ある医師から、「男性は加齢に伴って女性化していく」という話を聞いた。

 私にとっては、目からうろこの話である。

 概略は次のようである。

 「加齢に伴って、血液細胞(白血球やリンパ球)のY染色体が徐々になくなっていくことが知られている。これを「Y染色体喪失(消失)」という。Y染色体は男性だけのものなので、これは男性特有の現象である。」

 「文献によれば、75歳以上の人では全血液細胞の約20%でY染色体が失われ、65~74歳でも5~10%でY染色体が消えている。」

 「つまり、定年を迎え、前期高齢者の仲間入りをする頃から次第にY染色体がなくなっていく。性染色体の組み合わせでいえば、男はX型となって、女(XX型)に近づいていくことになる。男性の中性化といっていいだろう。」

          

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 「シニア男性の女性化」という、それも科学的根拠に基づいた話を聞いて、私は納得するものがあった。

 

 「そういえば、うちの亭主は最近台所に入りたがるし、年をとるとともに優しくなっている。あれは女性化しているのか?」

 

 それ以上に思ったことは、「シニア女性に比べてシニアの男性に、家に閉じこもる人が多いのはそのせいではないか?」ということだった。

 

 商社、新聞社、造船所、国際関係機関など大手企業、一流機関に勤めていた人たちが、定年退職して2、3年すると、家に閉じこもってしまう。もちろん人様々だが、野菜作りや庭いじりだけに励む人、家に閉じこもってインターネットをしたり、テレビにかじりついたりする人、奥さんが出かけるときには付いてくるが、それ以外は出かけない人。

 「70歳を過ぎても適当に働けるシステムができたらいい」とか不平不満は言うが、そして、はたから見ていると、それは努力さえすれば実現可能なのに、自分からは出ていかない人、などなど・・・。(もちろん、サークル活動や町内会活動に参加している人も、数は少ないが、いる。)

 

 シニア男性は人見知り、引っ込み思案の傾向が強く、それは弱気へ、閉じこもりへ、そして、病気へとつながっていきやすい。

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 私なども男性は引っ張っていくもの、女性は付いていくものという時代環境で育ったので、家庭のことでも男性の決断力・行動力に期待してしまうほうである。夫の、特に最近の優柔不断さにイライラすることが多かったが、それは間違っていたのかもしれない。

 遺伝子レベルでシニア男性の女性化が進むのであれば、考え方を変えたほうがいいのかもしれない。奥さんは旦那さんの決断力・判断力に期待せず、もっともっと強く、家庭を引っ張っていったほうがいいのかもしれない。

 もちろん、優しくなっていく旦那さんに理解と思いやりを示しながら、であるが。

    

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