89)シニアからシニアへ(趣味について)

「シニアからシニアへ」は、1人のシニア(私自身のこと)から、同世代のシニアに向けたエールメッセージです。

  86)「ルーチンワークについて」では、閉塞感を打ち破るには、ルーチンワーク(毎日の決まりきった仕事)をきちんとこなすことが大切だと述べた。そして、その最後に「もちろん、シニアにとって、このルーチンワークを終えてから何をするか、何かすることがあるかが、もっと重要になってくるのではあるが・・・。」と記した。

年をとって、一人ぽっちになったとき、シニアは毎日をどのように過ごしていけばいいのだろうか。最近は各自治体や地域で、住民活動や交流活動が盛んになってきている。そうした交流活動に進んで参加できる人は問題がない。活動を通して仲間もできるし、社会貢献もできる。そうではなく、住民の交流活動があることは分かっているが、なかなか参加できない、そういうシニアはどうすればいいか。

今回は好きなこと、趣味について考えてみる。

インターネットに「老後におすすめの趣味」がいくつか載っていた。「生きがい」や「やりがい」「充実感」というものは、趣味なんかで得られものではないと言う人もいる。しかし、好きなことを持っているということは、時間つぶしにもなるし、やがて、心の充実感につながることが多い。

インターネットの「老後におすすめの趣味」に、私なりの考えを付け加えてみたのが次のものである。(重要なものが抜けていたり、不必要なものが載っている場合はご容赦願いたい。)

 老後におすすめの趣味

1.健康体操、ヨガ、筋トレ

2.社交ダンス、フォークダンス、フラダンス

3.ピアノ、ウクレレ、ギターなど楽器

4.国内旅行、温泉巡り、海外旅行

5. 絵画、スケッチ、イラスト、絵手紙

6. 料理、パン作り、菓子作り

7.英会話、中国語、韓国語など外国語

8.テニス、卓球、ゴルフ

9.登山(山登り)、スキー、釣り

10.水泳、水中体操、水中ウオーキング

11.手芸、編み物、パッチワーク、レース編み

12. ウオーキング、散歩

13.サイクリング(自転車)、バイク(ツーリング)

14. 習字、書道、ペン習字

15.美術館巡り

16.スポーツ観戦

17.資産運用、株

18. 将棋、囲碁、麻雀、ポーカー

19. DIY・日曜大工

20. ボランティア

21. 読書、映画鑑賞、ビデオ鑑賞

22. カメラ

23. 陶芸、楽焼

24. 家庭菜園

25. ブログ、SNSツイッター、投稿・投書

 

皆さんはこの中に「一度はしたことがある」というものがあるだろうか。

また、「これなら、まあ、やってみたい。これならやれる」というものはあるだろうか。

 次はNHKの朝ドラ「エール」の中に取り上げられていたのであるが、ちょっと噛みしめてみたい一節である。

 

「人より努力することが少なくて、人より楽にできること、それが自分の得意なこと」

 

私もピアノに憧れて、孫が練習を始めたのと同時にピアノに取りかかったが、上記の一節とまったく正反対であった。いくら時間をかけてもなかなか上達しない。ピアノをやっていること自体がすごいストレスで、一向に楽しくなかった。でも、私は上手になりたい、せめて「エリーゼのために」ぐらいは弾けるようになりたいと思って、努力をした。

少しは指が動くようになったが、結果的にはだんだんピアノから遠のくようになっていった。つまり、ピアノは、私にとって憧れではあったが、自分が得意になれるものではなかった。

たぶんドラマの本当の主人公小関裕二氏にとっては、ピアノはあまり頑張らなくても取っ組めるものであったのであろうし、たとえば、北島康介氏にとって水泳は、人より楽にコツがつかめ、もちろん練習はきつかっただろうが、決して苦にはならないものであったのであろう。

上に挙げた「老後におすすめの趣味」の中で、少しでも「やってみようかな」「もう一度やってみようか」と思うものがあるだろうか。あればぜひそれに取り組んでほしい。

そのために交通費もかかるし月謝もかかるとしても、自分のシニア時代のための必要経費としてそれにお金を費やしてほしい。(今は各自治体にそうした生涯教育のプログラムがあるので、まず自分の住んでいる自治体に問い合わせるとよい。)

そして、ともかくそれを一生懸命やってみる。何も考えずに、毎日の生活のルーチンワークのようにやってみる。少なくとも1年は続ける。

「老後におすすめの趣味」の中にやりたいものが一つでも見つかったら、自分の家族や、子供、孫などに、どうすれば情報が得られるか尋ねればいい。自分が真剣になれば、必ず道は開けるもので、誰かが何かを教えてくれる。

外に出るのが面倒で、人と付き合うのが面倒な場合もあるが、週に一回ぐらいはその面倒をしたほうがいい。面倒なことだらけが人生なのだから、時間つぶしと思ってやってみてはどうだろうか。